プレイリスト「秋の夜長のDoo Wop」

このあいだ「ランダム再生10曲」という企画をやったときに、思いがけず最近あまり聴いていないDoo Wopナンバーが出てきて、「そうだ、ドゥーワップ・プレイリスト作ろうと考えてたんだっけ」と思い出す。アルバム画像のスキャンまでしてたんだけど(スキャンの日付見たら1年も前のことだった)、なんとなく私の中でR&Bな機運がキテなくて、ずっとそのままになってた。このたび、やっと、それをやってみようかと。題して「秋の夜長のDoo Wop」。(いやたまたま秋というだけ)

私が「Doo Wop」という言葉や音楽を知ったのは、ご多分にもれず山下達郎さんルート。彼がドゥーワップのカバーアルバム『On The Street Corner』を出したのが80年なんだけど、そのあと83年に、彼がパーソナリティーをつとめてたFM番組「サウンド・ストリート」で、6週にもわたる伝説の「ドゥーワップ大特集」を組んだことがあって。そのときDoo Wopの魅力にそこはかとなく引きこまれ始めて、エアチェックテープはくり返し聴いてた。でも、個人的にブームが大爆発するのはそれから10年近くあと、90年代に入ってから。キッカケが何だったのかが思い出せないんだけど、すでに働き始めていたので、稼いだお金をガンガンCD買うのにつぎこんでたな。そのころつけてたレコ購入メモ見ると、たった2カ月のあいだにドゥーワップやR&BのCDばかり6万も買ってたりするから、何かキちゃってたのはたしか。

とはいえ、その筋のマニアにもオーソリティーにもならないのが底の浅い私の常で、昔も今もただ「好き!」なだけ。当然、以下のプレイリストでも、役立つウンチクを語ったりはできないのだけど、持ってる中で好きな曲をひたすらどかどかと並べてみます!


“UPTEMPO side”
画像1. Why Do Fools Fall in Love? / Frankie Lymon & The Teenagers
"デー、ドゥンマトゥ、ドゥンマトゥ、ドゥンマトゥ、トゥートゥー"と、ファンキーなスキャットからはじまる55年の名曲。この曲のヒット当時、リードシンガーのフランキー・ライモン弱冠13歳ですってよ。このリストの中でこれだけ、CDじゃなくてアナログ盤で持ってる。高校生のころレコード買ったのだ。モスコさんのブログの記事でこのグループのことが書かれていて、「私もこのレコード持ってる!」と思わずキャーキャー言い合った。
画像2. I Wonder Why / Dion & The Belmonts
58年のヒットナンバー。ホワイト(白人)ドゥーワップグループではじめて、トップ40に入った曲だそうです。Dion といえばその後ソロで「ランナラウンド・スー」とかヒットさせた人。Dion & The Belmontsも、すごくポップでゴキゲンな曲が多くて好き。
画像3. At My Front Door / The Eldorados
このイカすジャケ、タツローさんがFC会報でお気に入りとして紹介してたことがあって、それ以来ずっと欲しかった。見つけたときはうれしかったなー。(ま、私のはCDだけど)
画像4. Speedoo / The Cadillacs
キャデラックス!大好き!昔、サウンドストリートでレコードコレクションの話になったときに、タツローさんが、(人の足元見て値段つけてるような)バカ高いレコードは買うなという話をしてて、「ぼくの持ってるいちばん高いレコードは、キャデラックスのミントコンディションの『・・・・・・』で、それでもせいぜい○ドルぐらいです」と言ってたのよく覚えてる。
画像5. Zoom / The Cadillacs
キャデラックスもういっちょう。ほんと、いいグループだね~。
画像6. Blue Moon / The Marcels
「バーボモバーボバーバーボバーモ…ディギドンディン…」(文字で表すのは難しいが…)というイントロの早口スキャットはこれぞドゥーワップ!いつ聴いてもワクワクしますなー。
画像7. You're The Apple Of My Eye / The Four Lovers
すっとんきょうに裏返る「Hoy,Hoy!」のかけ声がおかしくもチャーミングなナンバー。フランキー・ヴァリ独特のあのファルセットヴォイスが炸裂してます。The Four Loversは、のちのThe Four Seasonsにつながるグループ。これがこのあいだ「ランダム再生10曲」で出てきたので思い出し、このプレイリストを完成させることになったワケです。
画像8. Short Shorts / The Royal Teens
フォー・シーズンズつながりで、ボブ・ゴーディオのいたグループ、The Royal Teens。前にここでも書いたけど、この曲はタモリ倶楽部のオープニングで有名ですね。
画像9. Believe Me / The Royal Teens
続けて同じロイヤル・ティーンズ。ガレージ風味の「Short Shorts」に比べて、「Believe Me」はキラキラ流れる正統派ドリーミィポップ。同じグループと思えない!
画像10. Hushabye / The Mystics
The Beach Boysのカバーが有名なナンバー。私も聴いたのはそっちが先。「Hushabye」オリジナルは、ビーチボーイズバージョンよりずっとライトな感じ。どちらも、なんともいえずよい。
画像11. Happy Holiday / The Shells
こっからの3曲は、もうもう、激フェイヴァリット!何度聴いても高揚するー。この「Happy Holiday」は、タツローさんのサウンドストリートのDoo Wop特集に鈴木雅之さんがゲストで出たときに、鈴木さんが「大好きな曲」って言ってかけてた。シャネルズでもカバーしてたって。ほんっとカッコイイ曲、大好き!
画像12. Again / The Four Epics
この『LAURIE VOCAL GROUPS』というコンピレーション、あまりメジャーとはいえないグループばっかり入ってるんだけど、運命の出会いと思えるぐらい好きな2曲が、コレと次の曲。The Four Epics、詳細はよくわからないけど、4人組の白人ボーカルグループで「Again」は63年のリリースみたい。イントロの「ヌンヌムヌムヌム、ヌンヌムヌムヌム…」(これも表記が難しい…)というスキャットから「ッドコッドコ!」って入ってくるドラムが超~気持ちいい!そして、ちょっとせつないメロディ、サビのハモりもすっごくいいのです。
(※10/02/24後記 こちらも音源あったー。)
画像13. Hello Dolly / Vito & The Salutations
これもだーいすき!66年のリリースだからDoo Wopグループとしてはかなり後期、Doo Wopの王道ナンバーとはいえないかもしれないけど、カーッコイイ!同名ミュージカル(64年)から生まれたスタンダード曲で、サッチモはじめたくさんのカバーがあるみたいだけど、このVito & The Salutationsのバージョンは、同じ曲と思えないぐらいアレンジがすごっ。「疾走」の2文字がこんなに似合う曲もない、とにかくびゅんびゅん走ってる!早口のイントロから、全員で一気になだれるかのようなサビまで、とにかくカッコいい!
(※10/02/24後記 音源があがってるのを見っけ。いつまでリンク切れせずにいるかわからないけど。カッコイー。)
画像14. Come Go with Me / The Del Vikings
アップテンポサイドの最後は、Doo Wopらしいスタンダードで。♪ダンダン、ダンダン、ダンビドゥビダン…♪ いいっすね~。(画像は、これだけ持ってればDoo Wopの名曲はあらかた揃う、Rhinoの優秀盤『The Best Of Doo Wop』のUptempo編)


“BALLAD side”
画像1. Earth Angel / The Penguins
後半・バラッドサイドは、54年のこの曲から。中盤、ボーカリストが入れ替わって、2人のボーカルが交錯するところがもんのすごくいい。
画像2. Crying In The Chapel / The Orioles
出だし"You saw me crying in the chapel…"の低いかすれ声は絶品。鳥肌立ちます。
画像3. Devil Or Angel / The Clovers
これも名曲だね。私が聴いたのはBobby Veeバージョンが先かも。
画像4. Tear Drops / Lee Andrews & The Hearts
なんてことないけどイイ曲。転調するとこ、いいっすね。
画像5. Story Untold / Nutmegs
ラストに向かって階段を昇るように盛り上がって、大サビのハーモニーへ。見事!
画像6. Oh What A Night / The Dells
これもなんてことないけどイイ曲。(っていうか、Doo Wopはそんなのばっかなのだが) (画像は『The Best Of Doo Wop』のBallads編)
画像7. Tonite, Tonite / The Mello-Kings
このジャケ、カッコイイよね。これが欲しくてずっと探してて、見つけたときはうれしかった!
画像8. That's My Desire / Dion & The Belmonts
タツローさんの『オン・ザ・ストリート・コーナー1』の最後でカバーされてる曲。Dion & The Belmontsは、いかにもイタリア系アメリカ人って感じのおおらかな歌をうたうよね。ポップで優雅な仕上がり。むしろタツローさんバージョンのほうが濃いかも。
画像9. The Wind / The Jesters
これもタツローさんが『オンスト1』でカバーしてるのでそのころずっと探してたんだけど、なかなかなくって、見つけたときは達成感あったなあ。最初の一語「wind」の発音が、「うぅぅぃぃぃん…」って、そこまで粘るかってぐらいスローに粘ってるのがいい。滋味あふれる曲。
画像10. You Belong To Me / The Duprees
こちらは『オンスト1』の1曲めだったナンバー。印象的な"See the pyramids along the Nile"のフレーズが伸びやかに響き渡る。
画像11. In The Still Of The Night / The Five Satins
言うまでもない名曲。56年。ファイヴ・サテンズ、「サテン」の響きのとおり、ひそやかで大人っぽいつやのあるグループ。
画像12. My True Story / The Jive Five
"Cry,cry,cry~"といきなりサビ始まりなのがカッコイイ!
画像13. Sixteen Candles / The Crests
" Happy birthday, happy birthday, baby Oh, I love you so "…ああ、アメリカングラフィティ!もう、あの映画と言えばこの曲だよね。青春。映画も曲も大好き。
画像14. Gloria / The Cadillacs
キャデラックスはアップテンポもバラードも両方いいね~。最初の歌声は、まるで明け方に雲間からこぼれだす光をスローモーションで見てるみたい。
画像15. Chapel Of Dreams / The Dubs
やーいい曲ですな。58年。オリオールズの「Crying In The Chapel」と並んで、チャペルものの双璧と呼びたい。(ほかに知らないけど…)
画像16. Close Your Eyes / The Five Keys
これも『オン・スト1』に入ってるね。低いとこから高いとこまでを、5人の声がそれぞれ魅力的に行き来しててすばらしい。こうやってオリジナルを追っかけていくと、タツローさんがいかにいい曲ばっかり選んでカバーしてるかってあらためてわかるな。
画像17. The Verdict / The Five Keys
"One, Two,"というカウントから"Do you love me~"といきなり強いテンションで歌い出すオープニングが、異様にカッコイイ1曲。
画像18. Deserie / The Charts
高音と低音の駆け引きがとにかくすばらしい!Doo Wopの真髄ここにあり。チャーツは、このコンピに入ってるのしか私は持ってなくて画像がないなあ、残念。
画像19. I Only Have Eyes For You / The Flamingos
59年の曲。フラミンゴスって、とにかく色っぽいんだー。囁くように歌う。サビのハーモニー"I only have eyes for you…"の、たゆたうようなうつくしさ。この世のものじゃない。
画像20. Ten Commandments Of Love / The Moonglows
好きなジャケ、というと私はこれがいちばん先に思い浮かぶぐらい好きなジャケ。そんなThe Moonglowsの58年のヒット。邦題「恋の十戒」だっけ、「One…,Two…,」とコーラスとメインが駆け合いながら、言葉を置くように歌う。名曲だなあ。
画像21. Lovers Island / The Blue Jays
無数にあるDoo Wopの曲の中で私が知ってるのはほんの僅かにすぎないけど、この曲と、次の曲が、魂の2曲。この「Lovers Island」は、もう、低音、中音、高音の駆け引きがカッコイイのなんのって。聴くたびうっとりする。
画像22. The Closer You Are / The Channels
すばらしい、大好き。リード、テナー、バリトン、ベースが複雑に交錯するハーモニーのカッコよさ、そして至ったクライマックスのテンションと高揚感。もう芸術的ですらあって、なんど聴いても感動!!(興味があればYouTubeに音源が)

というわけで、さらっとやるつもりが時間かかった…。Doo Wopはグループも曲もほんとに大量に存在するので、ここに挙げたのなんてほんの一部だし、そのほかの有名曲も名曲もまだまだザクザクあるけど、個人的に大好きな曲ばかり並べて聴くと、やっぱりイイね~。

Doo Wopフィーバー(熱病)は、その20代半ばにかかったきり、その後は症状あまりオモテに出てないけど、そういえば私、RhinoのDoo Wop BOX(第1弾)なんかも買って持ってるんだ。久々に聴いてみたりすると、また熱出たりするかもね。


この記事へのコメント

htchtc
2008年09月26日 20:08
たびたびどーも。
"Earth Angel" とか秋の夜長に聴くとたまらんですよね。
「ロックンロールよ永遠なれ」っていう達郎さんのライナーにもしびれたものです。
moonlightdrive
2008年09月27日 14:10
■htchtcさん
どーもです!そうそう、Doo Wopの特にバラードはこんな季節の夜に流れるとグラッとしますね。そうだ、コメントしそびれましたがhtchtcさんのランダム10曲、LastFmのブログで拝見しましたよー。時代も国境もジャンルも自在に越えつつhtchtcさんのセンスがすっと通ってる。「Day Tripper」が私のリストとかぶってましたね、ビートルズあんなに曲あるのに、不思議。
2008年10月02日 23:00
おぉーー!ドゥワップ大噴火だーー!!(笑)

>たった2カ月のあいだにドゥーワップやR&BのCDばかり6万も買ってたりする

そうでしょう、そうでしょう、そうでなければこれだけ並べられませんて!いやー素晴らしいですねーーっ!!
ずらーっと並んだジャケットがとっても楽しいでっす。
この上、まだあのボックスをお持ちだとは・・・いやぁ~~すごすぎますぜ!かっこいー!そのお熱振りが最高っ!

そりゃあランダムプレイしてフォー・ラヴァーズにもぶちあたりますわ(笑)とにかく圧巻です!!

私も大好きなジャンルなんですが、全然聴けてないのがよくわかるっす。その知っている曲の少ない中でのフェイバリッツを挙げるならば!マーセルズのブルー・ムーンにケッテーイ!

あ、文中リンクご丁寧にどうもありがとうございます!
ついコーフンして、今頃お礼(笑)

p.s.私も20のムーングロウズのジャケットはとっても好きです。

moonlightdrive
2008年10月03日 01:08
■モスコさん
うわーーー、熱くて濃いコメントをありがとーっ!っていうか、呼び出しちゃったかも? うれしいなあ、モスコさんとドゥーワップの話ができるなんて。ふふふ、お熱ぶり、わかるよね。「ハマるとつい、トコトン」となっちゃうの、モスコさんも重症だもんね(笑)。(つい最近のスタックスの記事だって…!) そう、私のこの記事は「一度このCDジャケを並べてみたい!」という欲望のもと書いたのに近い(笑)。それにしても、58年、なんて50年(!)も前だけど、その音楽が人の中に巻き起こすワクワク感は、相変わらずヴィヴィッドですよねー。録音状態の良し悪し、技術の新旧なんて、音楽そのもののよさとは究極には無関係!なんだなあとか思ってしまいます。

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