UNIT 4+2「Concrete And Clay」、そしてRuss Ballard

たまにはジャック達以外の話もね。ちょっと前になるんだけど、小骨ソングをあらたにひとつ捕獲しました!(小骨ソング=昔ラジオなんかで流れたのを耳にとめて気になったまま、そのときはレコードを買うに至らず、ずっと小骨のように心の隅っこに引っかかっている曲。)で、その後の展開に、すっげーコーフン。ふはー。音楽ってすごいなあ!詳しくは以下。(ま、私ひとりがコーフンしてるだけでたいした話じゃないんですが…。その、コーフンの章はかなり後半に出てきます。)

私にとっての小骨ソングは、高校生のときFENのオールディーズプログラムで聴いていた、60年代のスマッシュヒットの類が多い。たとえば前に書いたザ・フォーチュンズ(The Fortunes)の「You've Got Your Troubles」なんかがそうなんだけど、このたび新たに捕獲した小骨ソングは、UNIT 4+2の「Concrete And Clay」って曲。このナンバー、そのころFEN「ジム・ピューター・ショウ」でよくかかっていて、ものすごく好きだったんだけど、その後巡り合うことはなくて。

つい何週間か前、ネット上をフラフラしてたら、このUNIT 4+2の名前を見かけて、急激に小骨ソング「Concrete And Clay」が聴きたくてどうしようもなくなり、探したらアルバムを1枚安価で発見したので速攻ポチ!だってこの編集盤、Amazonマーケットプレイスでけっこうな値段(この記事書いてる時点で8千円とか)がついてたりしたので、このチャンス逃したら出合えないかな…、と思って。

画像そのアルバムが届きました。これは、UNIT 4+2の2枚のオリジナルアルバム『Concrete And Clay』(65年)と『UNIT 4+2』(69年)の2in1に、さらにシングル曲などを収録した全29曲。63年結成のイギリスのグループなんだね、そりゃ私いかにも好きそうだ…。“UNIT 4+2”って変な名前だなーと昔から思ってたんだけど、インナースリーヴの解説によるとやっぱり、最初は4人で組んだ「UNIT4」というバンドだったのが、のちに2人メンバーが増えて「UNIT 4+2」になったらしい。そのまますぎて素敵。

(コーフンの章にはまだ行き着きません…。)目的のトラック「Concrete And Clay」は、1曲めに!もう、すっごく久しぶりに聴く。わあ~やっぱいい!ちょっぴりラテン風味な、アコースティックギターの旋律が印象的なナンバー。どうしてこのなにげない曲に魅かれるのか自分でも不思議なんだけど、やっぱりメロディの魅力なのかなー。男声コーラスもとぼけてて、なかなかいい味わい。このなにげない曲が、65年のUKナンバーワン(USでは28位)を取ってるというんだからヒットの世界っておもしろいね。YouTubeに古い画像(SHINDIG!)があったので貼っとこ。(※追記10/03/25 「SHINDIG!」の動画が削除されちゃったみたいなので、別なの貼っときます。※12/11/08 さらにリンク切れしてたので新しいのを。)



ね、いいでしょ?

UNIT 4+2というこのバンド名にも増して、「Concrete And Clay」(コンクリートと土)っていうのもポップスにしちゃ変なタイトルだなーとずっと思ってたんだけど、はじめて歌詞を読んで、やっと意味がわかった。
The sidewalks in the street
The concrete and the clay beneath my feet
Begins to crumble
But love will never die

これがサビの歌詞。“ぼくが歩いてる、この道のコンクリートがたとえ粉々に崩れても、愛は消えないさ”とでも訳すんでしょーか。いいなあ、こういうオーバーでストレートな愛の表現。こんなこと正面切って言われてみたい。

UNIT 4+2、インナースリーヴやWikipediaによると、メンバーは
Tommy Moeller(vo,keyb)
Buster Meikle(g)
Peter Moules(vo)
Howard 'Lem' Lubin(g)
Rod 'Humble' Garwood(b)
Hugh Halliday(dr)

の6人。上の4人が「4」で、あとの2人が「+2」だね。

彼らはけっこうカバーも演っていて、このCDの29曲中にも、「La Bamba」「You've Lost That Lovin' Feelin'」「The Girl From New York City」などが入ってるんだけど、何しろカバー曲なんかより、オリジナル曲のほうがずっとずっと輝いてる!「Concrete And Clay」も含め、クレジットは“Parker/Moeller”というのが多く、Moellerはメインボーカリスト(たぶんYouTubeの映像で真ん中で歌ってた人)だとわかるんだけど、メンバーの名前にないParkerって?と思ったら、Brian Parkerという人物。結成時のメンバーだったんだけど、病気のためにバンド活動は辞めてソングライターに徹していたとか。なるほど。

(この辺からやっとコーフンの章に!)で、この2in1+シングル盤のアルバムを聴いていたところ、ある曲に、その場で崩れ落ちそうなほどココロを奪われてしまう。セカンドアルバムに入っていたらしい「3.30」という曲。サイケデリックなエレピ、ずぶずぶにエフェクトのかかったボーカル、必殺のストリングス、泣きのメロディ。ふはー、これ、好きすぎる!雰囲気としては、レフト・バンクとかタートルズとかゾンビーズの終わりのほうとか、あの辺に近い感じ。あきらめに近い暗さとほんの少しの希望、ため息が出るほどうつくしくて、泣きそうなほどせつなくて。まさに60年代終わりのイギリスの音。ああー、もう、好きすぎるーーーー!!!!

この「3.30」という曲のクレジットが“Moeller/Ballard”となっていて、BallardというのはUNIT 4+2の後期に短期間だけメンバーだったRuss Ballardだということ。で、どんどん調べていくと、このラス・バラード、69年に、元ゾンビーズのロッド・アージェントに誘われて「アージェント」というグループを結成したって!うわ、ぜんぜん別々に好きだったUNIT 4+2とThe Zombiesがつながった…。もう、鳥肌。音楽のマジック。音楽ってすっげーなあ…。

Russ Ballardって、すごく有名なコンポーザーなんだね。Rainbowの「I Surrender」とかAmericaの「You Can Do Magic(風のマジック)」とかもそうだって。私でも知ってるじゃん…驚愕。取って返してこのUNIT 4+2の「3.30」という曲は、69年にシングルカットもされたらしいんだけど、チャートにはまったく上らなかったみたい。最高にシビレるいい曲なんだけどね。(試聴できるとこないかなと思って探しまくったけど残念ながら見つからなかった~。)(※追記10/03/25 うわ、見つかった!コレです。聴いて聴いて!)

こういう出合いがあるから、音楽聴くのも、音楽好きでいるのも、やめられないなー。というわけで、こんどは未知のバンド「Argent」が気になりまくりの私です…。何か情報とか、オススメとか、あればぜひ。


【追記】
さらにいろいろ調べてたら、件の「Concrete And Clay」を、なんと野田幹子さんがカバーしてた!アルバム『ハッピーエンドが好き』(89年)の8曲め。
http://www5.plala.or.jp/nodamikiko/disco-a.html
野田幹子さんはムーンライダーズつながりで聴いてたから、このアルバムも聴いた覚えがあるし持ってた気さえするんだけど(今見つからず)、この曲のことは気づかなかったなー。つながるね。おもしろい。




この記事へのコメント

ぜん
2008年11月12日 06:58
おお、久々にナイアガラー系の話題じゃありませんか。
私がロックにどっぷり浸かっていた頃(70年代前半)、アージェントは活躍していました。が、もっとゴリゴリのロックやプログレに夢中だった私はパス。ゾンビーズとのつながりについても後年知った次第でありまして。確か、今年のレココレ8月号(ビートルズの青い表紙)にアージェントの結構詳しい特集があったから古本屋を探してみては?今度の出張の時に貸してもいいけど、その頃はもう他のオトコ(新たな痩身ミュージシャン)に気を奪われているんだろうなあ。
moonlightdrive
2008年11月12日 09:19
■ぜんさん
おはよー。そっか~アージェントをリアルタイムで知ってるんだ!すごい。わあほんとだ、レココレ8月号検索したら表紙に「ARGENT-ロッド・アージェント/ラス・バラードを擁する名ポップロックバンド」って!やっぱこの辺知るならレココレなんだね。昨日、レココレ増刊『ブリティッシュ・ロックVOL.1』をひもといていたら、アージェントのことはそんなに載ってなかったんだけど、ラス・バラードといっしょにルーレッツ→UNIT 4+2→アージェントという経歴を辿ったドラムスのボブ・ヘンリットが、80年代のキンクスにも参加してると知ってまたビックリ。ロックの歴史ってつながってるんだな~~~当たり前だけど。

>その頃はもう他のオトコ(新たな痩身ミュージシャン)に気を奪われて
またそんな、ひどく移り気みたいな言い方…。けっこう一筋だと思うんだけど。いや、一…三筋か五筋ぐらいかな。でも1桁!
moonlightdrive
2008年11月12日 09:43
今年「ストレンジ・デイズ」の9月号でもアージェントの特集してた(表紙がアージェントのアルバム!)…なんで?と思ったら、今年の6月にアージェントのカタログがどどっと紙ジャケで出たんだね。うわ~これも何かの出合いなのかな~。そんなに言うなら(誰も言ってない)、一枚ぐらい買ってみるか…。
nakamura8cm
2008年11月12日 13:55
いやー興奮が伝わってくる記事ですね!うんうん、こういうの、ありますよねえ。
「Concrete And Clay」は知りませんでしたが、『ハッピーエンドが好き』はすぐ見つかるところにあったので、今聴いてます。アレンジは鈴木智文さん、キーボードに棚谷さん、コーラスに直枝さんの名前が。他の曲ではドラムを叩いてる矢部さんは、この曲には不参加でした。
moonlightdrive
2008年11月12日 18:45
■nakamura8cmさん
どーもです!ねねね、nakamura8cmさんみたいな方にはこの、パズルがカチッとはまったようなウレシさわかってもらえるよね!? 呼ばれてる、という言葉を使うなら、こういうときにこそ、でしょうか。「私、ラス・バラードに呼ばれてる!!」…いや、向こうは呼んだつもりないでしょうが…。おお、『ハッピーエンドが好き』が棚からすぐ出てくるなんてさすが湾岸バカですね(ホメてます)!60年代のスマッシュヒットについて書いた記事なんて地味に終わると思ったのに、ラス・バラードからロッド・アージェント、ゾンビーズにキンクス、智文さんに直枝さんと、とても豪華な内容(ま、ある種の人間にとって…)になりました!
Sugar
2008年11月13日 23:48
あー、名曲ですよね。

この曲ピーター・バラカン氏のお気に入りだったかも。

確か氏の番組でも聴いた記憶があります。


ついでに野田幹子さんのCD持ってますわ。

確か最初のホールコンサートのバッキングメンバーで録音したアルバムですね。
(ゲストは武川雅寛さんと泉谷しげるさんでした)

野田幹子さんは「BUS STOP」や「渚のボードウォーク」もカヴァーしてましたね。

ディレクターだった渚十吾さんの趣味でしょうか。


それと喉に小骨が刺さった時に飲み込むご飯の量はほどほどにしましょう。

大きすぎると大変なことになります。
moonlightdrive
2008年11月14日 09:18
■Sugarさん
おお、なんだかコメント欄がツウなことに…。そうそう、そのレココレ増刊『ブリティッシュ・ロックVOL.1』の中で、まさにピーター・バラカンさんが亀渕さんとの対談でこの曲についてふれてたよ~。 バラカン「あとユニット4プラス2がよかった。『コンクリート&クレイ』のギターがすごい。」 亀渕「イントロでパーカッション叩くやつだろ(笑)。」 バラカン「ラテン・ビートのアクースティック・ギターの速弾きで、いい歌だよ。これ1曲だけだけど。」 って…。バラカンさん、相当お気に入りなんだね(笑)。野田幹子さんは、Sugarさんは当然持ってるよね。あーそうそう、カバー聴いたことある。はい、リアル小骨とご飯の量には気をつけます。ってどんな会話なんだ。

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