【あとからメモ】Tribute to Mr. Kashibuchi "冬のバラ" @ 渋谷 B.Y.G

(ちょっと時差がありますが、自分用のキロクとして、当日ツイなどをあとからまとめなおしてアップしました。2020年02月)

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2013年12月17日にかしぶち哲郎さんが亡くなってから6年。七回忌のまさに12月17日その日に、B.Y.Gという小さな会場で開催された追悼のライブイベント。年末の平日のライブだったし、席数が限られていてチケットも即完売だったとのことで、その場にいることができたのはただひたすらラッキーだった。以下、1stと2ndの両方が混ざった、ほんの部分的な感想文ですが、メモ。(話の細部、うろ覚えなので正確でないと思うけれど…。)

Tribute to Mr. Kashibuchi "冬のバラ"

出演: 岡田徹/白井良明/佐藤奈々子(1st Stage)/佐藤優介/澤部渡/菅野みち子&渡辺たもつ from 秘密のミーニーズ(1st Stage)/鈴木慶一/鈴木博文/武川雅寛/夏秋文尚/松尾清憲(2nd Stage)/ポニーのヒサミツ(1st Stage) ※五十音順

日程:2019年12月17日(火)
時間:(1st Stage)開場 18:00 開演 18:30 /(2nd Stage)開場 20:15 開演 20:45
会場:渋谷 B.Y.G
料金:(各回共)前売 ¥7,800 + (当日) 1ドリンク・オーダー(※各回60名さま予定)



先に終演直後の印象を書いとこ。終わってすぐ、帰路で投稿したツイ。
BYG帰りなんだけど、なになになに!!!!ムーンライダーズ、ふっつーに!現役で!ちょーーーカッコよかったんですけど!!!!なんなのもーーー!!!!あいかわらずサイコーすぎる7人だった!(慶一さんいわく、かしぶちさんは今日ずっと、慶一さんが最初に会ったBYGの「そこの階段」にいたって)はーーーいろいろ凄かったけど、何よりとにかくムーンライダーズってバンドがただひたすらカッコよかったよ!!!!なんなんだよもーあいしてる(´;ω;`)

ちょっと「追悼」からはかけ離れたテンションなんだけど(笑)、「ムーンライダーズ」がセトリのいちばん最後だったので、終演直後はもうこんな気持ちでしかなくて。大好きなバンドが、(メンバーもう60~70代だというのに)あいかわらずメタメタにカッコよかったの、ほんと驚いた…。

そしてあらためて思い返すと、そこにあった、出演者一人ひとりのかしぶちさんへの思いにしみじみ心を動かされるような、そんなライブだったなって。ライブ前半は、メンバーやゲストが一人ひとりいろんな編成で一曲ずつかしぶち曲を歌うという構成。それ故に「その人とかしぶちさん」の個人的で大切な関係をちょっぴり見せてもらうようで…。思わず涙がにじんでしまったり、もした…。

最初の岡田さんからしてさ。「『砂丘』を選んだ理由は…歌詞が少ないから歌えるかなって」と客席を笑わせながらも、「今回送ってもらった楽譜が42年前にクラウンで録音したときのままの楽譜で。かしぶちくんがそのときに思いついたアイデアとか全部書いてあるんだよね。見たら、ちょっと…きちゃったよね」なんて言うので、もう、涙。その岡田さんの「砂丘」をサポートした澤部くん優介さんの素晴らしい音や、そのあとの(1st stage)秘密のミーニーズやポニーのヒサミツのそれぞれに自由で素敵なカバーを聴くにつけ、かしぶちさんがのこした音の遺伝子はあとの世代がこうしてしっかり受け継いでいってくれてるんだよなあ…なんて思ってまた涙…。

佐藤優介さんの「Curve」はちょっと衝撃的なよさだった。かしぶちさんがこの曲に込めた芳醇な詩情がまるごとあふれ出るようなアレンジで、もうこれをかしぶちバージョンと言ってもいいのでは、と思うぐらいの。すばらしすぎるピアノと歌だった。(そういえば新代田FEVERでのムーンライダーズトリビュートライブのとき、優介さんムーンライダーズで一番好きなアルバム『Dire Morons TRIBUNE』って言ってたね。)MCでの、優介さんと澤部くんの「くじらさんに、かしぶちくんのトリビュートライブでどの曲演るのって聞かれたから『Curveです』って答えたら『そんな曲あったっけ?』って。あんなにカッコイイトランペット吹いてるのに…」「ね…」っていう話がめちゃくちゃおかしかったな(笑)。

慶一さんは、「かしぶちくんとここB.Y.Gで初めて会ったときのことは今でもよく覚えてます」と。入り口の階段のところを指さして、「はちみつぱいのドラマーのオーディションで。その階段のところに座ってたんだよね。ドラマーのオーディションなのにギター抱えてきて、何曲も弾き語りするから、途中で『あのー、そろそろドラム叩いてくれませんか』って」そんなエピソードに会場も温かい笑いに包まれる。「いわゆる手数の少ないドラムで、聴いてもう『この人にしよう』と」。私たちファンが思いも及ばないような、長くて深い、慶一さんとかしぶちさんとの時間…。

アコースティックギターで弾き語りした博文さんが、(たしか、かしぶちくんが湾岸スタジオにいた姿が思い浮かんで…という話の延長だったかな)いつもの飄々とした口ぶりだったけれど、ボソッと「戻ってきてほしいよね」って言ったのも、胸にせまってたまらなかった。“日本最古のロックバンド”のこんなにも長い時間を「ドラマーとベーシスト」として過ごしてきた2人、と思うと、他の誰にも知り得ない物語がたくさんあるんだろうなって…。良明さんはインストで1曲、そのあと博文さんのベースと夏秋さんのドラムというスリーピースで「バックシート」。研ぎ澄まされた音がまるでアートポートみたいだった。

この日、個人的にいちばんきちゃったのが、夏秋文尚さんが歌ったセット。2ndステージのMCでは「ムーンライダーズの僕への無茶振りもだんだんひどくなってきて、今度は歌をうたえと…」って客席を笑わせてたけど(笑)。歌う前にトツトツと話してくれた、「かしぶちさんは最後のほうは体調悪いことも多かったんだけど、僕にとってはいてくれるだけですごい安心感で。かしぶちさんはほんとうに優しくて…」という言葉でもう胸がいっぱいになってしまって。個人的に、かしぶちさんと夏秋さんのツインドラムが始動し次第に強固な安定感となってぐいぐいとライブを牽引していくようになった00年代後半のムーンライダーズに思い入れがありすぎるので…。そこを、きっと人にはわからないだろう経緯で乗り越えてきた2人のドラマーの精神的つながりを思うとね…涙が止まらなかった…。夏秋さん、「かしぶちさんは優しいからきっとこんな歌でも許してくれると思います(笑)」と、タンバリン叩きながら(&タンバリンに貼った歌詞見つつ)「トラべシア」。夏秋さんのために心こめてとびきりの音をひとつひとつ置いていくくじらさんも優介さんも泣けた。すごく、すごく、よかったよ…。

その夏秋さんと優介さんがバックにまわっての、くじらさんの「Beep Beep Beオーライ」や、1st stageの佐藤奈々子さんの「冬のバラ」や、2nd stageでのめずらしくピアノ弾き語りでの松尾清憲さんの「トラベシア」…。ラストのムーンライダーズ前までのステージは、一人ひとりの胸に秘めた大切な「僕だけのかしぶち哲郎」を、それぞれの歌を通じてチラッと見せてくれたような気がして。それぞれが大切に思っているとっておきの「かしぶちさん」を私たちファンも垣間覗かせてもらったような、ほんとうに貴重なライブだったな…。

そして、ラストは狭いステージに6人(+かしぶちさんで7人)が上がって、慶一さんが「ムーンライダーズです!」と!!!!!!!そもそもこの日、出演者告知にメンバーの名前はあったけどバンド名のアナウンスはなかったので、ムーンライダーズとしての演奏があるかどうかもわかってなくて、不意打ちで揃ってるところ観れただけで感極まった…。「Frou Frou」のイントロ!わーーームーンライダーズだ!!!!あんな狭いハコでめいっぱいのボリュームで演奏し倒すメンバー、カッコイイイイ!!!!くじらさんの、あんな大病したとは思えないエネルギッシュな“Frou Frou”コーラスとトランペットの代わる代わるのリピート。普段悠然としたイメージのクセしてライブになると途端にカチリと5段ぐらい上の戦闘モードに入る岡田さんの、めっちゃ攻撃的なピアノの手元。淡々と弾きまくる博文さん。ニコニコと客席煽る良明さん。遠慮なしのドラム叩く夏秋さん。楽しそうに歌う慶一さん。はああ、ムーンライダーズだ…(泣)。「スプーン一杯のクリスマス」、「スカーレットの誓い」。2nd stageではメンバーが薔薇の花を客席に手渡したりもしてくれて。ステージも、ファンも、歌う。もちろんいやおうなしにかしぶちさんも巻き込んで、ね。

ムーンライダーズは落ち着きも枯れもしない、相も変わらずギラッギラ突っ走り続けるバンドだった。そしてステージ上の7人の中で、かしぶちさんの存在感のあること!もちろんかしぶち曲を演ってるからでもあるんだけど…。ちょっと話はそれるけれど、山下達郎さんが今年のツアーで「音楽家は死んでも音が残りますから。それを歌ったり演奏する人がいる限り、音楽家は生き続けるんです」って言って、(かしぶちさんと同じ2013年に亡くなった)大滝詠一さんの「君は天然色」を歌ったのだけど、今日のかしぶちさんも、めっちゃ生きてたなあ。いやあのメロディだもの。かしぶちさん、そうとうつよい…(確信)。

この日たくさんのミュージシャンが歌ってくれたかしぶちさんのメロディは入れ代わり立ち代わり心の中に満ちてきて、あらためてかしぶちさんの旋律のあまりに独特な美しさに気づかされて、ライブ後も夢の中にいるようだったな…。

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(写真ヘタすぎてブレブレだけど)くじらさんのヴァイオリンとトランペット、岡田さんのアコーディオン、みんなのギター達(良明さんのギター、たしか博文さんが前半で使ったアコギ、博文さんのベース、慶一さんのギター…かな)、そしてかしぶちさんのドラム…だよね。夏秋さんが「かしぶちさんみたいな音を出したいとずっと思ってるけど…あの音って出ないんですよね。かしぶちさんのドラム使っても」と。でも、(何度でも言うけど)夏秋さんが、かしぶちさんの傍でムーンライダーズのツインドラムを叩いてくれてたこと、ほんとによかった…。かしぶちさんのドラムがかしぶちさんの音しかしないように夏秋さんのドラムだって見事に夏秋さんの音しかしないけど(笑)、でもそこには確かにかしぶちさんの何かが流れ込んでるはずだから。リボンのかかったスティック、胸ポケットの写真、かしぶちさんとずっと並んで叩いていた夏秋さんが叩く、YAMAHAのドラムの音。今日もいろんなかしぶちさんを、夏秋さん連れてきてくれてたね。


私は、活動も追いかけきれてはいなくてあまり熱心なムーンライダーズファンとは言えないけれど、かしぶちさんとムーンライダーズのかけがえのない記憶の場所でこんなライブを体験させてもらって、いろいろな思いが胸いっぱいにあふれてしまったな…。しばらく、B.Y.Gの空気の中でゆらゆら…。出演者のみなさん、ムーンライダーズのみんな、かしぶちさん、ほんとうに素敵なライブをありがとう。


*公式からのセットリスト

第一部
01「砂丘」岡田徹 with 澤部渡、佐藤優介
02「自由なメロディー」菅野みち子&渡辺たもつ from 秘密のミーニーズ
03「スカーレットの誓い」ポニーのヒサミツ
04「Curve」佐藤優介 with 澤部渡
05「今日は雨の日です」澤部渡 with 佐藤優介
06「バーレスク」鈴木慶一 with 夏秋文尚
07「Frou Frou」鈴木博文
08「トラベシア」夏秋文尚 with 佐藤優介、武川雅寛
09「バックシート」白井良明 with 鈴木博文、夏秋文尚
10「Beep Beep Be オーライ」武川雅寛 with 夏秋文尚、佐藤優介
11「冬のバラ」佐藤奈々子 with 武川雅寛
12「Frou Frou」ムーンライダーズ
13「スプーン一杯のクリスマス」ムーンライダーズ
14「スカーレットの誓い」

第二部
01「砂丘」岡田徹 with 澤部渡、佐藤優介
02「Curve」佐藤優介 with 澤部渡
03「今日は雨の日です」澤部渡 with 佐藤優介
04「バーレスク」鈴木慶一 with 夏秋文尚
05「トラベシア」松尾清憲
06「Frou Frou」鈴木博文
07「バックシート」白井良明 with 鈴木博文、夏秋文尚
08「トラベシア」夏秋文尚 with 佐藤優介、武川雅寛
09「Beep Beep Be オーライ」武川雅寛 with 夏秋文尚、佐藤優介
10「気球と通信」ムーンライダーズ feat.松尾清憲
12「スプーン一杯のクリスマス」ムーンライダーズ
13「スカーレットの誓い」
アンコール
「Frou Frou」ムーンライダーズ


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少しディスカウント価格になってたの、本日ゲット。好きなバンドのTシャツを買う、ってしあわせな行為なんだなあ…とか、あらためて。課金は推しがいてこそだもの。

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