10年越しの「アンタッチャブル シカゴマンゴ最終回」

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5月23日(土)深夜25~27時。その日時のリアタイはできなかったけれど、1週間ぐらい遅れて、TBSラジオ『JUNKアンタッチャブルのシカゴマンゴ 最終回スペシャル』を聴いた。あーーーおもしろかった!2時間ずっと笑いっぱなし、死ぬかと思った!と、軽く書くんだけど、実際世の中見渡してもなかなかないからね、リアルに「ずっと」「っぱなし」っていうのは。まして2時間は!呼吸よりも笑いの量がまさって息ができなくなって比喩でなくほんとに「死ぬかと思う」あの稀有な体験。そしてアンタッチャブルの漫才やコントでは度々訪れるあの感じ。ああ、アンタッチャブルだ…。

アンタッチャブルというコンビは、山崎さんも柴田さんも、私が知っている限りの芸能人や芸人の中で最もお涙頂戴な演出を嫌う人たちなので、「10年ぶりの最終回」といういくらでも感動の味つけができる機会でも、きっといつも通りなんだろうな~と思ってた。にしても、想像をはるかに超える通常進行!10年ぶりなのに、いつも通り過ぎ(笑)!

正味な話、この「10年前の続き」を、さらっとできちゃうのがアンタッチャブルの空恐ろしさなのだろうと、あらためてしみじみ圧倒されもする2時間だった。冒頭、山崎さんが「いやー柴田さん、来ない来ない(笑)来ないといえば柴田さんだから」と、まるで先週のできごとのように柴田さん不在のまま番組が終わった10年前のことをイジってからは、経緯の説明もそこそこにシカマン以外のネタ(山ちゃんに声かけられたんだけどメガネしてないから誰かわからなくて一緒にいるのが蒼井優ちゃんでやっとわかったw…からの「フラガール」ネタw)でさんざん話し込んでしまう通常モード。「10年ぶりの」「念願の」「感動の」と待ち構えている世間をひょいっと飛び越して、ウォーミングアップどころか瞬時にいつも通りの(つまり10年前のままの)スピードで走り出して、あっという間にコーナー曲がろうとさえしてるふたり。

まったく、アンタッチャブルってやつは。

思えば去年11月のコンビ復活のときもそうだった。(私はそれもリアルタイムでは見ていなかったのだけど)くりぃむしちゅー有田さんがお膳立てした「全力!脱力タイムズ」での柴田さんへのサプライズで、ネタ合わせもなしにその場で10年ぶりの漫才をやることになったふたりは、しかし誰もが期待する「懐かしいね」「復活よかったね」というほのぼのレベルをはるかに超えて、いきなり全芸人を震え上がらせるほどの最強プレイヤーのたたずまいで私たちの目の前に現れたのだった。10年間の空白期などまるで幻だったかのような圧倒的なスピード感と現役コンビぶり。まったく、アンタッチャブルの恐ろしさをしみじみ思い知った復活劇だった。

そんなふたりのシカマン最終回は、オープニングから中味へと入っても特別なことをやるでもなく、「ネツ・リーグ」「モテない替え歌」「ツッコミ先行宣言」といったあの頃の名物コーナーを、10年前と同じようにふたりが進めていく展開。そこにメールを投稿してきたハガキ職人さんたちのラジオネームの数々は、シカマンの最後のほうを少し聴き知ってるだけに過ぎない浅いファンの私でも「ああ!」と聞き覚えのある名前ばかりだった。実際、山崎さんも柴田さんも「あー!」「おお!」とその名前にいちいち熱く反応して懐かしがっていて、なんというか、この何ら特別なことのない10年前のままの放送こそが、シカゴマンゴという番組を何より大切に思っていたアンタッチャブルとリスナーの、最高の祝祭なんだなあと思った。「TCTT」とかいって笑い転げている、いつも通りのくだらない時間こそがね。それにしてもいい加減BOOMERさんのネタ引っ張りすぎだろアンタッチャブルもリスナーも!とは思ったけど(笑)。

しかしつくづく、シカゴマンゴでのアンタッチャブルのふたりは、他の何に出ているときとも違う、シカマンだけのふたりだよね。心おきなく繰り出される山崎さんの無茶ぶり、いちいちキレのある柴田さんの返し、お互いの才能がお互いを信頼して野放図に駆けめぐる愉快さに、思わず自身で笑ってしまうふたり。

山崎さんと柴田さんはどんな共演者とでもどんな観客の前ででも瞬時に最大の笑いをとれる腕利きの芸人だけど、その彼らが「ふたりきり」で向かい合うラジオって、極上の才能が共演者のためでもなく観客のためでもなくただお互いのために使われていく、ある意味サイコーに無駄で同時にサイコーに贅沢な場なんだなあ、と感じ入った。それは、山崎弘也こそが柴田英嗣のツッコミの世界一のトリガーで、柴田英嗣こそが山崎弘也のボケの世界一のヒッターであるという紛れもない事実を思えば、当然なのだけどね。

ほんと、普通にひたすらおもしろすぎた最終回だった。山崎さんは最後「おかしいな~、10年前の最終回のほうがグッときたなあ」と言ってた(笑)。この無駄で贅沢な空気に、再びふれることができてよかったな。10年越しの最終回を実現してくれたスタッフの尽力と、結集したリスナーのネタ投稿の有能さと、まったく何も変わってなかったアンタッチャブルのふたりに、心から感謝。ありがとうございました!

ふたりのラジオ、また聴けるといいな…。


10年前、シカマン最終回を聴いたときに書いた文章はコチラ→「願う」


【メモ】
https://news.radiko.jp/article/edit/42405/

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