『鬼滅の奏 無限列車編』 @ パシフィコ横浜 国立大ホール

「鬼滅の刃」の劇伴をオーケストラが演奏する「鬼滅の奏」。昨年11月(私はまだ全く鬼滅を知らない時期!)の開催に引き続き今回は無限列車編ということで、行けたらいいなーと思っていたら、とてもラッキーなことに最速先行でチケットが取れた。コロナウイルス感染対策のため客席収容率が半分以下だった(当日行ってみたら1列飛ばしの席配置になっていた)ので、いっそうチケ事情厳しかったのではないかと思う。チケットの神様ありがとうございます…(私のチケ運たぶん煉獄さんまでの期間に全集中で、アニメ2期からあとは何も当たらないんじゃないかという不安もあるけれど…)。

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「鬼滅の刃」オーケストラコンサート ~鬼滅の奏~ 無限列車編
日時
■9月4日(土)
【昼公演】12:30開場/14:00開演
【夜公演】17:00開場/18:30開演
■9月5日(日)
【昼公演】10:30開場/12:00開演
【夜公演】15:30開場/17:00開演
会場名 パシフィコ横浜 国立大ホール
出演 指揮:栗田 博文
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
笛:坂本 圭/ドラム:坂本 暁良/ベース:酒井 太/ギター:塚田 剛/ピアノ:野間 美希/キーボード:村松 充昭/ボーカル:中川 奈美/合唱:Voces Tokyo


私が行ったのは4回あるうちのラスト、9/5の夜公演。早めに赴いて15時半の開場とともに中に入った。コロナ対策のための間隔開けた整列、検温と消毒、半券は各自でもぎる、など整然とした入場。告知のあった通りロビーには、放映予定の総集編のキービジュアルが展示されていたけれど、混雑しないように、そして誰でも撮影できるように、流れを誘導する作りになっていて配慮を感じた。当日物販もパンフのみ。パンフはコンサート前に読んでおくといいよーというアドバイスを事前に見かけていたので購入して読む。指揮の栗田博文さんや編曲の宮野幸子さんの長めのインタビュー記事があり、クラシックのことがわからない私には事前知識がいろいろ入手できてとてもよかった。

だんだん客席も埋まってきて、開始近くには、スクリーンに前回の鬼滅の奏の映像も流れて、いやが上にも気持ちが盛り上がる。暗くなり、スクリーンに正装の炭治郎や煉獄さんたちが現れ、オープニングのおしゃべりを!おお、新規のこんな映像もあるのね…。そして拍手の中、演奏者たちが入場。私の席はわりとステージがちゃんと目に入る距離で、双眼鏡も持って行ったけど結局使わなかった。右寄りだったので、ステージ上手前方に位置していたボーカルの中川奈美さんがよく見えたのが嬉しかった、『この方が!あの!鬼滅の声の方…!』と。逆に、下手後方のドラムスやギター担当の方々はほぼ見えなくて残念(映像化待たれる)。コンマスの方の合図で音合わせが始まり、そして指揮の栗田さん登場。小柄で穏やかそうな外見。なのに、始まるやいなや迫力のあるアクティブな指揮で釘付けになってしまった。

どんなふうに始まるのかなと思ったら、スクリーンにあの何十回も観た、汽車のヘッドライトが点く映像が映り、耳慣れたオープニングの荘厳な金管の音が…!わあああ無限列車だ…!!!!生の演奏の、音圧と迫力がすごい…!

パンフに書かれていたプログラムは以下の通り。

Program

前半
01.M01
02.M02/M03
03.M06/M07
04.M08
05.M09
06.M10-1/M10-2
07.M18/M19
08.M15/M16
09.M17/M23
10.M24/M25
11.M26/M27
12.M28-1/M28-2/M28-3
13.M29/M30
14.M31
15.M32
16.M33

後半
17.M34/M36-1/M36-2
18.M37
19.M38
20.M39
21.M40-1/M40-2/M40-3
22.M41
23.炎

これ(スコアリング版の曲ナンバー)だけ見ると何が何だかわからないけれど(笑)、基本的には映画の流れに沿って、映像とともに順に曲が演奏されていく構成。なので、荘厳なオープニング曲の次は、うってかわってあの「うまい!うまい!」のユーモラスな劇伴。そして列車内で鬼と闘う時の勇ましい音楽。雪が降りしきる炭治郎の夢の中の美しい音楽もあれば、伊之助の洞窟探検隊の愉快な音楽もあり、本当にいろいろな曲調の音楽が次々に演奏されて、あらためて「無限列車編」の劇伴の豊かさにため息をついてしまうのだった。

すべてが素晴らしかったけれど、中川奈美さんの歌、生の声、すごかったなあ。「これぞ鬼滅!」という、あの鬼気迫るボーカル。あるいは、炭治郎の「本当なら」のシーンを彩る美しい声。Voces Tokyoのみなさんの迫力あるコーラスも含め、鬼滅の音楽に「声」の存在ってほんとうに欠かせないものなんだな、としみじみ感じ入った。やはり“呼吸”の物語でもあるしね。

それから、事前にパンフを読んだ中で宮野さんがポイントとして挙げていた「ホルン」。ホルンはまっすぐな響きがとても「鬼滅の刃」らしい楽器で、劇伴自体でも今回のコンサートでも通常の編成より多い人数にしているとのこと。ホールをどーんと貫いてくる太くおおらかな響き!パンフのおかげでより注目して聴けてよかった。

笛の坂本圭さんもステージの上手側だったので見入ってしまったけど、今回気づいたのは、善逸のシーンって笛(篠笛かな?)が特徴的なんだなって。禰豆子と果樹園を走る夢でも、無意識領域でも、あと霹靂一閃のときも鳴ってたと思う。軽やかだけど鋭くて強い、みたいな感じがした。これ生で観ないと気づかなかったな。

ストーリーが魘夢との戦いに差しかかってくると、曲調も強く激しくなってきて、ドラムスやギターが前に立ってくるのもまた迫力があった。後半の猗窩座戦に至っては見せ場に次ぐ見せ場!(映像化されたらもっとしっかり見てみたい~!)

そしてやっぱり何より感銘を受けたのは、栗田博文さんの指揮。右に左にと大きく体を動かし時に飛び跳ねるようにしながら、オーケストラ全体に魔法をかけていく姿がほんとうにカッコイイ。指揮棒を振るその勇ましいほどの背中を見ていると、栗田さんもまた鬼殺の剣士のひとりに思えて仕方なかった。それにしても、映画に合わせて音楽を奏でていくというこのコンサート、普通以上に指揮者の注意力が要るであろうことは素人の私にも想像がついた。曲のまとまりごとに編集されたフィルムが、演奏とともに始まり演奏とともに終わるようになっていたから。映像に細やかに気を配りながらオーケストラの生の躍動感を思いきり引き出す、栗田さんの丁寧かつ大胆な指揮、すばらしかった。

コンサートは前半でもう魘夢の最期までいってしまう!15分間の休憩を挟んで、後半は猗窩座の登場から駆け抜けるよう。いつもエンドロールとともに流れる「炎」が、この日は壮大なオーケストラ演奏で。感無量…。大拍手によるアンコールで最後に「紅蓮華」を演奏、カッコよかった!すべての演奏を終えて栗田さんがオーケストラ全体を順繰りに紹介してくれたのだけど、パートごとあるいは楽器ごとに力強いしぐさで観客に紹介するそのひとつひとつが、演奏者へのリスペクトと愛にあふれていて、またステージ全体と観客を結びつける温かさがあって、感激してしまった。

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大好きで何度も映画を観ている「無限列車編」だけれど、こうして劇伴を生で聴くと、「鬼滅の音楽は素晴らしい」とひとことで言ってしまいがちなその「音楽」も、ひとつひとつの楽器やひとりひとりの演奏家が音符を生み出し、それが少しずつ縒り合わせられ積み重ねてできあがっているんだな…と実感する。音楽も、映像も、すべての分野で、その気の遠くなるような小さなひとつひとつを大切に積み重ねているのが、「鬼滅の刃」という作品なんだと思う。

クラシック音楽にあまり縁のない私のような者でも、こういうきっかけで生の演奏に触れることができて有難かった。実際の演奏とフィルムの編集の調整、さらには映像出しのタイミングや音楽と映像の両方に合う照明、ライブビューイングの開催など、途方もなく複雑な準備が必要だったんじゃないかと思われるコンサート。コロナ禍のもとで大がかりなイベントは難しい面も多かったと思われるのに、楽しみにしているファンのために開催してくれて感謝です。

そうそう、映画に没入して煉獄さんを思って泣いちゃうかなと思っていつも通りハンカチ握りしめてたけど、意外に(私の場合は)そうではなく、目の前の楽器の生演奏に興味しんしんのうちに終了した感じだった!一度味わうだけではあまりにもったいないので、映像が早く商品化されるといいな…まだまだ先かな…それも楽しみ。

撮影可だった終演後ステージ.JPG(撮影可だった終演後のステージ) 終演後ホール.JPG Collage 2021-09-05 23_55_23.jpg 特典グッズ.jpg パンフと特典.jpg 煉獄さんin横浜.JPG

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